熱中症による後遺障害への賠償責任「逸失利益」について ーシリーズ「熱中症と労災」弁護士に聞いてみたVol.7(最終回)ー

熱中症による後遺障害への賠償責任「逸失利益」について ーシリーズ「熱中症と労災」弁護士に聞いてみたVol.7(最終回)ー 働く現場の熱中症0プロジェクト

熱中症の労災関連の法律についてご存じでしょうか?

 

熱中症対策を進めるには、「労災」や「安全配慮義務」について理解を深めることが大切です。

そこで、弁護士の先生にお話を伺いました。


安全管理担当者なら必ず押さえておきたい「安全配慮義務」や、熱中症が発生したときの「賠償責任」について詳しく解説していただきます。

シリーズ「熱中症と労災」弁護士に聞いてみたVol.6

この対談に登場する専門家

魚住 泰宏 氏

 

弁護士。平成5年大阪弁護士会登録。平成26年大阪弁護士会副会長。令和2・3年日本弁護士連合会研修委員会委員長。日本労働法学会会員。経営法曹会議幹事。

人事労災に関する法律相談・紛争代理、労働関係の執筆・講演など幅広く活動する。

この対談に登場する専門家

平山 直樹 氏

 

弁護士。令和元年大阪弁護士会登録。

人事労災に関する法律相談・紛争代理に積極的に取り組む。

逸失利益とは後遺障害が残ったことで得られなくなった(減少した)将来の収入に対する補償

—— 前回は長引く症状に対する損害賠償責任を説明いただきました。

従業員が熱中症に罹患し後遺障害が残った場合、使用者(企業)はどのような損害について賠償責任を負う可能性がありますか。

※前回のコラムはこちら⇒裁判では「長引くめまい等の症状が熱中症によるものかどうかの判定」が重要視される

 

 

魚住: 治療費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料等と逸失利益があります。

 

 

—— 逸失利益は初めて聞きました。慰謝料等とは違うのですか?

 

 

平山:逸失利益は後遺障害が残ったことで得られなくなった(減少した)将来の収入に対する補償で、従業員の年齢が若い場合や労働能力喪失率が大きい場合は高額になります。

—— 熱中症で後遺障害が生じた場合、逸失利益はどのくらいの金額になるのですか。

 

 

平山:後遺障害の逸失利益には次の計算式があります。

平山:この計算式からも分かるように、従業員の職種や年収、後遺障害等級等により逸失利益の金額は大きく異なります。

特に、喪失期間は原則として就労可能年齢である67歳までの期間となりますので、例えば、被災者が25歳であれば42年間となり、これに対応するライプニッツ係数は23.701と高くなります。

基礎収入や労働能力喪失率によっては逸失利益は高額になる可能性があります。

 

 

魚住: 熱中症は年齢にかかわらず罹患するものですし、若い人でも亡くなるケースが多くあります。

高額な賠償金を負担することのないよう、企業は熱中症の予防方法等を勉強し、従業員教育を行うなどしたり、専門家からアドバイスをもらったりすることが重要です。

万が一、熱中症事故が発生したときは、弁護士から賠償金等全般について適切なアドバイスを受けることができます。

 

 

—— 7回に渡り、わかりやすいご説明ありがとうございました。

シリーズ後半は実際に裁判になった場合についてお話いただき、職場での熱中症労災は、企業と従業員の双方にとって恐ろしいことであると再認識しました。

やはり、職場における熱中症予防対策は企業全体で取り組むもので、従業員一人ひとりにまで浸透させて実施していくことがきわめて重要ですね。

本記事は、2021年7月に実施したインタビュー内容を再掲載したものです。最新の法令について、必ずご確認ください。

著者情報

スターライト工業株式会社 セーフティ・ライフサポートカンパニー
1952年国内で初めて軽量なプラスチック製ヘルメットを開発して以来、 安全性と快適性を兼ね備えた商品・サービスづくりを続けています。 より良い社会の実現に向けて、自治体・企業・研究機関・教育機関などと連携し、ヘルメット・災害用トイレ・水害対策・熱中症対策など、現場の声を拾い上げた商品開発や啓発活動を行っています。

会社名:スターライト工業株式会社 

住所: 〒535-0002   大阪府大阪市旭区大宮4丁目23番7号

TEL:  06-6951-0251

FAX:  06-6951-0258

お問い合わせ ページトップへ